毎週、スタッフの持ち回りでお届けする「編集後記」。
今週はベトナム人スタッフのMaruchanより、「ダナン市のインド式結婚式」のお話です。
Maruchanは2月下旬に南中部沿岸地方ダナン市を訪れて特別な結婚式に参加しました。10年以上前にフィンランドに移住し、テト(旧正月)の家族団らんの時間を過ごそうと2020年年初に帰国したのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で暫く国に居残っている義理の妹と、コロナ感染拡大中に仕事でベトナムに渡ったインド人の男性の結婚式です。2人が偶然に出会って恋に落ち、約2年の交際を経て結婚しました。
新郎のご両親がベトナムを訪れて複数の候補を確認した結果、結婚会場として選んだのはダナン市のビーチリゾート「フラマリゾートダナン(Furama Resort Danang)」でした。フーコック島のほうが気に入ったのですが、ベトナムとインドを結ぶ直行便のスケジュールはダナン市の方が遥かに便利なため、ダナン市に切り替えたそうです。
結婚式は3日間にわたって行われ、期間中にヒンドゥー教に沿った複数の儀式とパーティーがあります。
<指輪を交換する婚約式(Misri)に前夜祭(Sangeet)>
初日夕方には太鼓が鳴り響く中、新郎新婦が家族や友人たちに囲まれてリゾートの宴会場に入場します。宴会場の中心に設置された小さいステージの上にあるソファに着席し、会場のみんなと向かい合います。
ヒンドゥー教の司祭の案内により新婦の父が新郎のおでこに赤い粉を付ける短い儀式の後、新郎の家族が新婦に贈り物を手渡し、新婦の膝の上に敷かれた布に宝飾品が持ちきれないほどたくさん置かれていきます。次は新郎新婦や新郎のご両親、おじおば、いとこによる芸術公演セクションに入り、その間に指輪交換が行われます。
芸術公演セクションから始まったビュッフェパーティーで新郎家が鳴り響く太鼓と楽しいインドの音楽に合わせて激しく踊り続けたので、ダンス音痴の新婦家も一緒に踊り始めました。祝福ムードが盛り上がり、宴会場がまるでお祭りかディスコのような雰囲気になりました。インド人たちが踊り好きというのは本当なのですね。
<顔や体にウコンとオイルを塗る儀式(Haldi)>
翌日朝にプール側の庭園で新郎新婦の顔や体にウコンとオイルを塗る儀式が行われ、両家は黄色い衣装で参加します。別々の桶の中にそれぞれ入った新郎新婦に家族らが次々とウコンやオイルの混合物を塗っていきます。材料の準備から儀式の終了まで約2~3時かかります。ウコンは神聖な植物であるため、結婚式の前にそれを使って体を清めるためだそうです。
<新郎が白い「馬」に乗って家族を伴い新婦のもとを訪れる儀式(Baraat)に不思議な儀式いっぱいの結婚式>
2日目の午後にターバンを巻いた新郎は白い車(本来は白い馬)に乗り、家族や友人と共にパレードしながら結婚式の会場となるビーチに向かいます。リゾートの正門から廊下を通ってビーチ会場の入り口までの距離は約200mほどでしたが、今回もまた太鼓をガンガンたたく楽器隊がくっ付いてきて、隊に先導されながらみんなが太鼓に合わせて踊ってすごくゆっくりと進行し、途中で何回も駐車し、その度に太鼓のデュオさんたちがヒンディー語で何かを叫ぶ(歌う?)と新郎の家族が応答していたので、なんと2時間もかかりました。(@ ̄□ ̄@;)!!
新婦家が新郎家を会場の入り口で出迎えて挨拶します。両家がここでちょっとした儀式を終えた後、新郎が会場の祭壇へ移動します。新郎家が祭壇で司祭の指導に従い何かの儀式を終えた後、客室で待っていた新婦も祭壇に導かれます。
新婦の両親が司祭の横で儀式を最初から最後まで見守ります。期間中には花輪の交換、新郎新婦のスカーフの結び合い、新郎新婦が聖なる火の周りを7回まわること、新郎の靴探しなど、不思議な儀式がいっぱい行われます。最後は新婦の家族が次々と新郎新婦に贈り物を手渡します。ベトナム人ですから、贈り物は金の延べ棒、または現金、もしくはその両方ですね。約2時間の儀式が終了した後にコンサートとビュッフェパーティーがスタートします。3日目にはさらに短い儀式が行われます。
インドから楽器隊と司祭が招かれ、インドの伝統的な結婚式が忠実に行われました。新郎の父方と母方の80代~90代の祖父母も含め、新郎家一族100人以上が遠い国からわざわざダナン市に足を運んで参加しました。90代の祖父が車椅子でも各種儀式を見守り、80代の祖母らがハキハキと儀式の手順などを指導したり、自らで実施したりする様子を見て、とても深い感銘を受けました。やはりインド人は家族と伝統を非常に大事にしていますね。新郎家の皆はとてもフレンドリーで温かかったので、とても好印象を受けました。こんなにも家族に恵まれるため、義妹がきっと幸せになることを信じています。
ダナン市での挙式後は3月中旬、ヒマラヤ山脈上にあるインド・ウッタラーカンド州デヘラードゥーン市でさらに結婚披露宴とちょっとした儀式があり、家族や友人らをホテルに招いて宿泊させ、複数日に渡ってダナン市の3倍の規模で開催します。なお、周辺名所のプチツアーや新郎家の訪問を含めた新婦家のインド滞在期間がなんと10日間以上にも達する予定です。あまりにも仕事に支障をきたす期間のため、残念なことにMaruchanは参加することができません。
(photo by Maruchan)
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